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インフルエンザウイルスは細菌でなくウイルスである。
ウイルスとはその本体のみでは生きていくことができず、他の生物の細胞に乗り移り、遺伝子(DNAあるいはRNA)を転写させることで生き延びる。他の生物の細胞を宿主と言い、宿主に乗り移ることで増殖を続ける。さらに宿主を破壊し、ウイルスは宿主から外にとび出す。この繰り返しでウイルスは感染・増殖を繰り返す。
インフルエンザウイルスは人畜共通感染症で、豚や鳥類に感染することが知られている。人への感染は鳥インフルエンザが遺伝子変異して感染することが多い。
ウイルスにはA、B、C型の3タイプがあり、このうちA型とB型が人インフルエンザの原因となる。
A型は変異を繰り返し、病原性として問題となる。ウイルスの表面にはHAとNAという抗原があり、HAは16種類、NAは9種類発見されている。問題はその組み合わせにより亜型が存在し、遺伝子の変異により常に姿形を変えて感染を繰り返すという点である。
現在、鳥インフルエンザウイルスは20種類ほど発見されている。H1はAソ連型、H3はA香港型と言われている。そしてH5、H7、H9は毒性は高く、致死率は60~70%と言われている。ただしまだ人への感染力は低い。この亜型がいつ変異を起こし、人へ感染しパンデミック(爆発的な感染)状態となるか分からない。
高病原性の高い新型インフルエンザウイルスであるH5N1は従来のインフルエンザウイルスと違い、呼吸器系のみ感染ではなく、全身の臓器に感染することが知られており、このことで致死率が高くなっている。
2009年4月24日、メキシコで豚インフルエンザウイルス(H1N1型が中心)が人へ感染し、68名の人が亡くなっている(世界保健機関とメキシコ政府が発表)。まだ亜型までは確認されていないが、今後パンデミックとなる可能性が極めて高いと考えられる。早い段階でのワクチンの生成と接種を広めるべきである。
インフルエンザウイルスの感染経路はくしゃみ・咳などの飛沫感染で、経口・経鼻で呼吸器感染を起こす。潜伏期間は1~2日程度、症状は悪寒、発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、咽頭痛、鼻汁、鼻閉、咳、痰や腹痛、嘔吐、下痢などの消化器症状を起こすこともある。何しろ急激な発症で発熱も通常は39°~40°と高熱が多い。肺炎、インフルエンザ脳炎の併発もある。
このような症状を認めた方は最寄りの医療機関にて簡易的なインフルエンザ検査を受けていただきたい。現在は感染が認められれば内服薬(タミフル、リレンザ、シンメトレル)が処方される。しかし大切なのは感染の予防である。
手洗い、うがい、マスク着用を積極的に行い、部屋の中は湿度を50~60%程度の保ちこまめに換気を行うことが良いとされている。
また予防接種としてインフルエンザワクチンの接種は絶対である。しかし現在一般化されているワクチンはAソ連型(H1N1)、A香港型(H3N2)、B型の三種類の混合ワクチンであり、新型インフルエンザが発生した時にはあまり効果は少ない。そこで現在はH5N1に対するワクチン、プレパンデミックワクチンが開発された。試験的に昨年6000人規模で医療従事者に接種された。しかしこの製造は全く需要に追いついていない。
実際にパンデミック状態になった時初めて、その亜型が同定され、ワクチンが製造される。しかしそれには半年もの期間が必要になる。それまで発症を遅らせる効果としてワクチンや内服薬に頼るしかない。ただその備蓄量も十分とは言えないのが現実である。なにしろ今は自己管理のもと予防に徹するしかない。そして政府・厚生労働省の指示を待つしかない。
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